たまたま目にした速報で、愕然としました。医師免許がないのに入れ墨(タトゥーとも言う、以下すべて「入れ墨」と表記)を彫ったとして医師法違反の罪に問われていた件、「入れ墨は医療行為」として有罪判決が出たのです。私は入れ墨を入れていませんが、とても人ごとには思えませんでした。
入れ墨を彫るのは本当に医療行為なのか?
私の認識では「どこかが悪くなっていて良くすることは医療」、「特に悪くなっているわけではないけど良くすることは美容」という認識です。この認識だと、私の中ではどちらかといえば入れ墨は美容に含まれます。整形や歯科矯正もこちらに当てはまります。
たとえば脱毛サロンでエステティシャンが「毛細胞の破壊」を行うのは医療行為にあたるため違法だと言われています。しかし、近年では脱毛器も進化しているため毛細胞の破壊を行わずとも毛が生えるのを妨げることができるようです。同じことをしているのに機械が違うと違法にならないって、不思議ですよね…
確かに施術によってやけどや皮膚疾患などの可能性があるため、医療知識は必要とされると思います。でも本当に必要なのは脱毛なら脱毛の、入れ墨なら入れ墨のことに関しての知識だけですよね。それで6年間医学部に行って、本当にそのための知識って身に付くんでしょうか…。大学で入れ墨を学ぼうとするのって、医大の勉強と美大の勉強を一緒にすることを求められているのと同じだと思うんですよね。私には少なくとも無理です。
医療と繋がる入れ墨
自分の周りで、自傷跡・やけど跡を隠すために入れ墨を入れている人はいます。あとは、アイブロウ、アイラインを描かなくてもいいように「アートメイク」といわれるものを施している人など、そういう方々にとっては医療と入れ墨は繋がると思うんですよね。自傷をして外科手術で縫ってもらったものの、大きく跡が残ってしまってなんとかしたいという気持ちはわかります。入れ墨は反社会的なイメージを持たれていると思いますが、上記のような場合はそこまでイメージ悪くないというか、美容の範囲で一般的に周知されている気がします。
ピアスも同じ医療行為だけど…
私は多くのボディピアスをつけていましたが、ボディピアスも医療行為だとして穴をあける「ピアサー」たちが罪に問われることがありました。ピアスは病院で開けましょうね、なんて言われて病院に行っても、実際に穴を開けるのは医師免許を持たない看護婦だったなんてことザラにあります。病院でやってるから大丈夫だなんて思っているのかもしれませんが、同じことなんですよね…。友人たちが「病院で開けたピアスが調子悪い」と言って見せてもらったら、ひどい有様だったことが何度もありました。なんと消毒液をつけるように言われていたとかで、ケアを変えたほうがいいと伝えました。1つもピアスをつけていない医師・看護師と、いたるところに20個近くピアスをつけていた素人の私、彼女たちは後者を信じたわけです。ちなみにケアを変えて良くなった人はいてもそれ以上悪くなった人はいませんでした。体質もあるので一概には言えませんが、消毒液が合わない人は結構います。
ライセンス制にすべき!
確かに人の体に傷をつけるわけですから、医療行為と言われるのはわかります。人の髪を切るのも、美容師・理容師免許がないとできないですよね。だからこそライセンス制にするべきだと思います。日本としては「伝統的な彫りなんてなくなってしまえ」という思いを持っている人はいるかもしれませんが、入れ墨は世界からなくなりません。必要な知識だけを必要な年数学んで師匠につく。それが一番良いと思います。いわゆる「痛トゥー」などと呼ばれるアニメキャラなどの入れ墨もありますし、医学部で内臓やら筋肉やらの勉強をするよりも大事なことがあると思っているからです。今までもグレーゾーンだったこと、上記の脱毛のこともそうですけどたくさんあったと思います。違法だとしたところで地下に潜るだけですし、これ以上知識のない「プロ」を増やさないでほしい。知識のある素人が「プロ」になれるように、頼むからライセンス制にしてくれ…と私は思います。
2017年9月29日追記
Twitterにて、今回の判決は「医療行為」ではなく「医行為」という判決が正しいというご指摘をいただきました。「医療行為」と報道しているものばかりでしたので、そのままの表現として使ったのですが、「医療行為」と「医行為」は別のものです。「医療行為」のすべてが「医行為」になるわけではありません。
ここに「医行為」として書かれていた記事を載せておきます。ただし、一般的には「医療行為」と同義語として扱われることが多いです。